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August 18, 2020

中空コア光導波路のオンチップ3Dプリンティング

国際研究チームにより、光をセンチメートルオーダーの距離にわたり、回折させずに閉じ込めて伝送する、オンチップ・光ケージの新しいコンセプトが発表されました。研究チームは、Nanoscribeの3D光造形装置を用いて、シリコンフォトニックチップ上に中空コア3Dフォトニック導波路を直接プリンティングしました。この微細構造は、中空コアの周りに微細なストランドを2つのリング状で配置しています。チップへの統合と、この光ケージ内で起こりうる光と物質の強い相互作用によって、新たなアプリケーションが期待されます。特に気体・液体ベースの検出のほか、バイオ分析や量子技術に有望な技術です。

3D hollow-core dual-ring light cages
センチメートルオーダーの導光用3D中空コア・デュアルリング・ライトケージのレンダリング画像。(画像提供:Bumjoon Jang, Leibniz Institute of Photonic Technology)

集積型フォトニックデバイスにおける、気体・液体・生物学的薬剤と光との強い相互作用は、環境モニタリングやバイオセンサにおける新しい技術やモバイルアプリケーションを可能にします。光と物質の相互作用を強化するには、高度な光センシング素子が必要です。この点を念頭に、ライプニッツ光技術研究所ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン校インペリアル・カレッジ・ロンドン校フリードリヒ・シラー大学イエナ校オットー・ショット材料研究所から成る科学者チームは、3D光ケージの新しい導波管の概念を開発しました。この導波路は、微細バー後方に光を捕捉し、フォトニックバンドギャップ効果によって数ミリメートルの距離にわたり光を導きます。光ケージのオープンデザインは、液体/気体分子などの物質と光の強い相互作用に対して有利な造りになっています。

光導波路の3D微細造形

この挑戦的な微細造形では、Nanoscribeの3D技術を用いて、シリコンチップ上へ二重リング型のライトケージを直接プリンティングしました。この複雑な構造は、光を導く中空のコアの周りに、六角形に配置されたストランドを持つ2つのリングで構成されます。極細ストランドは、直径3.6μm、間隔7μm、長さ5mmで、1,000を超える高いアスペクト比を実現しています。

3D微細構造設計は、ストランド間のオープンスペースを介して、導波路のコア領域に横方向からアクセスできます。その結果、分子は側面から中空コアに入り、コア領域の光と相互作用することができます。性能試験では、3Dライトケージを介した効率的な導波路が実証されています。さらにチップへの統合により、バイオ分析や量子技術などの多くの分野への導入が期待されます。上記の研究チームによれば、導波路の長さは3cmに達し、アスペクト比は8,000を超えます。

積層製造による更なるフォトニック材料の開発

非常に複雑で精密な微小部品を造形するNanoscribeの高い3D光造形機能は、フォトニック回路の研究とイノベーションを推進しています。またレーザー直接描画のコンセプトにより、フォトニックチップ上に複雑な3D微細パーツを直接造形できます。3Dフォトニック結晶、フォトニックインターコネクト、複合レンズシステム、自由形状カプラなどは、Nanoscribeの3D光造形装置によって実現された重要な成果です。

学術論文の全文は以下のリンクからお読みいただけます。
レーザー直接描画によるフォトニックバンドギャップ誘導型デュアルリング光ケージの光誘導
中空コアライトケージ:バー後方への光のトラップ

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