集積型フォトニックデバイスにおける、気体・液体・生物学的薬剤と光との強い相互作用は、環境モニタリングやバイオセンサにおける新しい技術やモバイルアプリケーションを可能にします。光と物質の相互作用を強化するには、高度な光センシング素子が必要です。この点を念頭に、ライプニッツ光技術研究所、ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン校、インペリアル・カレッジ・ロンドン校、フリードリヒ・シラー大学イエナ校オットー・ショット材料研究所から成る科学者チームは、3D光ケージの新しい導波管の概念を開発しました。この導波路は、微細バー後方に光を捕捉し、フォトニックバンドギャップ効果によって数ミリメートルの距離にわたり光を導きます。光ケージのオープンデザインは、液体/気体分子などの物質と光の強い相互作用に対して有利な造りになっています。
光導波路の3D微細造形
この挑戦的な微細造形では、Nanoscribeの3D技術を用いて、シリコンチップ上へ二重リング型のライトケージを直接プリンティングしました。この複雑な構造は、光を導く中空のコアの周りに、六角形に配置されたストランドを持つ2つのリングで構成されます。極細ストランドは、直径3.6μm、間隔7μm、長さ5mmで、1,000を超える高いアスペクト比を実現しています。
3D微細構造設計は、ストランド間のオープンスペースを介して、導波路のコア領域に横方向からアクセスできます。その結果、分子は側面から中空コアに入り、コア領域の光と相互作用することができます。性能試験では、3Dライトケージを介した効率的な導波路が実証されています。さらにチップへの統合により、バイオ分析や量子技術などの多くの分野への導入が期待されます。上記の研究チームによれば、導波路の長さは3cmに達し、アスペクト比は8,000を超えます。