高屈折率材料でパワフルマイクロオプティクスを実現
IP-n162の主な利点は、波長589nmで1.62という高い屈折率です。Nanoscribeの他の二光子重合樹脂と比較して、最高の屈折率を提供します。Simon Thiele氏(BMBF助成プロジェクトPRINTOPTICSのプロジェクト参加者であり、同名のスピンオフ企業のCTO)は以下のようにコメントしています。「IP-n162のような高屈折率フォトレジストは、設計者に、より強力で、薄く、湾曲の少ない、コンパクトなレンズを作成する自由度を与え、さらにより高速かつ安価な3D光造形を可能にします。」PRINTOPTICSプロジェクトにおいて、Nanoscribeはシュトゥットガルト大学および医療技術企業Karl Storzと提携し、内視鏡アプリケーション向けに、ファイバー上での微小光学部品造形を担っています。
Thiele氏はIP-n162を使用した体験として、「IP-n162が実現した最も有益なデザインは、歪みのないイメージを生成するための複雑な光学システムで、これは完全な自由曲面を持つ2つのレンズで構成されます。特記すべき点は、カラーエラーを補正するため、レンズ上部に微細な階段構造をもつ一体型回折レンズです」と語ります。また「IP-n162の高屈折率により、この構造の段差を小さくし、迷光を減らすことができます。」と利点をまとめています。
3D微細加工が拓く次世代の自由形状マイクロオプティクス
IP-n162はまた、25という低いアッベ数を示し、Nanoscribe社製樹脂で最も高い分散性を有します。IP-n162による造形物の光学特性は、射出成形で一般的に使用される光学ポリマーに近く、ポリカーボネートやポリエステルと比較することができます。
高分散性の可能性の一つに、アクロマティック光学システムの製造が挙げられます。IP-n162のような高屈折率材料と低屈折率の素子を隣接させる複合光学系を構成することで、アクロマティック光学系をマイクロスケールで積層製造できます。
新しいマイクロオプティクス用フォトレジストの詳細は、IP-n162詳細ページをご覧ください。